げねのチラ裏

げねのブログです。だいたい音楽について語っていますが、たまに他の事にも触れます。気が向いた時に更新していこうと思います。

新曲を2曲公開したので解説+α

 お久しぶりです。げねです。この度、新曲「中二病の塊」と「染色する街」を動画サイトにて公開しました。ありがたいことに2021年10月27日現在、両曲とも100再生を突破しました。ニコニコ動画だけでなくTwitterでも反応をいただいてます。本当にありがたいです。というわけで、個人的な振り返りの意味も込めて解説をつらつらと書いていきます。

 

中二病の塊」Vocal : 鏡音レン


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 曲のざっくりしたアイデアは2019年の時点でできていました。この曲のモチーフの1つとして「冬の地下鉄」があります。人工的な規則正しさと無機質さ、そして蛍光灯の明かりで一層寒々しいような地下道のイメージが根底にあります。確かサビのメロディーを思いついたのが地下鉄の駅にいるときだったと思います。

 サウンドには大々的にブレイクビーツを取り入れました。生ドラム音源の裏でずっと鳴っており、より細かいリズムを刻んでいます。そしてやっぱり曲全体を引っ張っているピアノに注目です。



「染色する街」Vocal : KAITO


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 この曲は「中二病の塊」とは対照的に、今年の夏に作り始めた曲です。曲のアイデア出しと並行してアレンジを固めていったので、こちらはより直感的でシンプルなバンドサウンドとなっています。

 この曲は完全にギター主導で作った曲で、イントロのアルペジオからアイデアを広げていって、コードやリフを作ってから歌メロを乗せたという曲です。以前から個人的な課題としてメロディーのマンネリ化があったので、サビのメロディーは手癖からの脱却をしようとしてギターで作りました。

 ちなみにこの曲のギターはEADG#BEという変則チューニングで、3弦を半音上げています。自分の曲でドロップD以外の変則チューニングを使ったのは初めてです。

 

 そして歌詞ですが、2曲とも歌詞を書こうとするといつもの癖が出てきてしまい、本来のテーマとは違う愚痴と自虐が入り込んでしまいました。コロナ禍で広がる社会の歪み、広がる自己責任論・選民意識とそれを吹聴する人々、そして諸々から逃げ続けている自分のことなどが混然一体となって出てきた感じです。やはり音楽を社会や政治などの諸々から切り離して考えるのは難しいですね。そういうものを切り離していくと最終的にB-DASHくらいまで突き抜けないといけなくなる(B-DASHは「フーファイ」が好きです)。自分は生活に根差したものを作る方が合ってるなと思った所存です。

 

なぜKAITO V3なのか

 さて、ということで現在うちのボカロは鏡音リン・レンKAITOを加えた3人編成になりました。そこで問題となってくるのは「どうしてKAITO V3を買ったのか」ということについてです。これは単純に「男声が欲しかった」ということに尽きます。もっと言うと、落ち着いたポストロックやアンビエント寄りのエレクトロニカを男声でやりたいという願望がありました。イメージとしてはRadioheadトム・ヨーク (中期以降) 、Sigur Rósのヨンシー、People In The Boxの波多野さん辺りの声です。そんなイメージなのでパワー系というよりは比較的ソフトに歌う感じです。

 KAITOはデフォルトの声が若干こもっていると感じているので(合唱に近い歌い方?)、ジェンダーファクターは下げめで使っています。また、吐息成分の強いSoftやWhisperを上手く活用できれば自然な声にも近づけられるんじゃないかなと思い試行錯誤しています。

 とはいえボカロはそんなに安いものでもないし、欲しいものだって他にたくさんあったわけです。そんな中で購入の決め手となったのは、あるネットショップに特価でKAITO V3が売っていたことです。どんどんDTM周りが充実していく…次はMIDIキーボードが欲しい…

 

 最後に今回の曲を作っていて感じたのですが、今やっている調声方法では立ち行かなくなってきたな...と感じています。今まではピッチベンドなどのオートメーションをほとんどいじらずMIDIの細かい調整だけでやってきたのですが、最近ピッチが不安定になりやすいのが気になり始めました。なんにせよボカロのポテンシャルをまだまだ引き出せていないので、研究を重ねていきたいです。

 

今日の一曲

Tempalay "GHOST WORLD" - teaser -


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↓こちらはフルバージョン (YouTube Music)


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Tempalay / GHOST WORLD

 最近Tempalayにはまりました。アルバム「ゴーストアルバム」のギターテックがドミコのさかしたひかるさんだったので、聴いてみたところかなり良かった。特にこの曲はお気に入りです。曲展開が全く予想できなくて変なんですがサビはメロディアスかつメランコリックで、その上随所に日本的なサウンドも取り入れていてバンドの引き出しの多さが1曲で分かる。同アルバムに入っている「ああ迷路」も好き。

 さらに、ツアーの開催に合わせて同曲のミュージックビデオが近日公開されるとのこと。ティザーを見るとかなり癖強めのMVになってそうで楽しみ。