げねのチラ裏

げねのブログです。だいたい音楽について語っていますが、たまに他の事にも触れます。気が向いた時に更新していこうと思います。

俺 VS フリマサイト ~進行と古都を求めて~

※この文章は1月下旬に書かれたものです。

 


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 フリマサイトで買った進行方向別通行区分の「ムー大陸好きでθ」が届いた。進行 (略) はギターボーカルでソングライターの「田中」を中心として結成されたバンドである。キャッチーかつ切ないメロディ、それとは対照的に支離滅裂な歌詞、「ジャイアンのごとき歌唱法」と言われるボーカル、相対性理論の元メンバーと弁護士が織りなすテクニカルなアレンジが特徴。CDはライブ会場での手売りのみ (昔はディスクユニオンでも売っていたらしい) で、音楽が「手段ではなく目的」であることを極限まで突き詰めたようなバンドである。そのため、CDは転売ヤーの格好の餌食となっている。田中さんは別バンドである「古都の夕べ」もやっており、こちらのバンドのCDもよく転売ヤーの餌食になる。

 進行・古都のフリマ界隈はまさに魑魅魍魎がはびこるジャングルである。しかしCDを手に入れ音源を聴くためには、そのジャングルへと突撃していかなければならない。そこで、自分はどのようにこのジャングルの中をサバイブしているのかという四苦八苦の記録をこの文章に残しておく。

 

 進行方向別通行区分や古都の夕べをフリマサイトで探すとき、転売かそうでないかを見分ける自分なりの手順がある。まず新品未開封のものは外す。「新品未開封です」とアピールしているのは論外で、写真にシュリンクのテカリが映っている、キャラメル包装の開け口のラインが見えるといった部分で見分けていく。

 

 次は出品者の周辺を探る。出品しているものに一定の法則性があると、転売ヤーと普通の人を見分ける手がかりとなる。例えばゲームやパソコン系の機材を多く売っているだとか、大学で使ったような参考書を多く売っているというような、その人物の人となりが推測できるようなラインナップになっているとより信頼性が上がる。

 逆に出品している商品に一貫性がないと、転売ヤーである確率が上がる。ポケカなど転売御用達の品を売っていたら確実に黒だと思った方がいい。同じCDを何度も売り、転売ヤーであることを隠さない人間もいる。逆にどうしたらそこまで多くのCDを何枚も揃えられるのか知りたい。転売ヤーのネットワークとかがあるのか。それにしてもあまりに在庫が充実しすぎている。でも買っちゃダメ。

 あとプロフィール画像も手がかりの一つになる。キキララの写真をプロフィール画像にしているような奴が「男の、このシャクシャク感」みたいなジャケットのCDを買うわけがないだろ (偏見) 。

https://coverartarchive.org/release/56145e9a-e271-4934-82b2-a63ddb1f8f2e/31204030339.jpg

進行方向別通行区分の5thアルバム「男の、このシャクシャク感」

 

 転売ヤーっぽいアカウントを除外したら、あとは本当に音楽が好きかどうかを探ればより安全になる。出品しているものに楽器の周辺機器やエフェクター類が出ているとなお良い。自分は進行・古都のCDを探すときに、どういう人から買うのがいいかという人物像が定まっている。音楽が好きでライブにもよく行くが、特にフィジカルの音源にこだわりがないような人物だ。「金が欲しいしレア物の進行をメルカリで出すか~。手元にリッピングしたデータもあるし」というような人。こうした人がいることで、俺のような人間がCDを手にすることができるのである。

 

 以上のことが、自分がフリマサイトをめぐる中で学んだ「この人からは買ってもいいかな」と思える基準だ。時間はかかるかもしれないが、こうして進行・古都の音源を全て集めるのが自分の夢である。まあ元から手に入らなくて当たり前なので、財布とも相談しながら気長に集めていこうと思う。まあ一番は田中さん本人がbandcampとかのサイトで音源を売ってくれることなんですけどね! データでもいいので頼むから売ってくれ! 買うから! 転売も減るだろうし!

 

 さて、「ムー大陸好きでθ」の話に戻る。ここで自分が書いているブログの該当箇所を前回までのあらすじとして引用する。

 

 数日前に進行方向別通行区分の「ムー大陸好きでθ」をメルカリで探し出し、転売じゃなさそうなので買ったが一向に発送されない。メッセージに対する返事も来ない。キャンセルするか、でもこれを逃せば二度と手に入らないかもしれない。「井荻の中のマリオネット」が聴きたい。どうすりゃいいのか。

 

 2~3日後、「買って1~2日で発送と書いてあるけど何も動きがないが大丈夫か」という旨のメッセージを送ってようやく返信が来た。通知に気が付かなかったらしい。転売ヤーは金にがめつく商品が売れたらすぐに飛びつくはずなので、これで図らずも転売ではないというお墨付きがついた形になった。その2~3日後には、メッセージはなかったがメルカリから発送の通知が届いた。後日CDはちゃんと届いた。CDはプチプチの中に入っておりちゃんと再生もできたので、安心したげねは「XTCガール」のディスコサウンドに乗って踊り狂ったのであった。めでたしめでたし。

 

 だがしかし、「通知に気付かなかった」という旨のメッセージの後に何の音沙汰もなかったこと、さらに購入後に発送方法が変わっていたと思ったら本来の発送方法で来たり…ということが少し引っかかっていた。どうも気になってしょうがなかったので、封筒に書いてあった発送元のビルを調べてみた。もしかして転売ヤーが怪しいビルに拠点を構えて発送しているのかもしれない。いやでも出品者はエフェクターやスイッチャーも売ってたし自分で音楽もやる人間のはず…と考えながら住所をググった。CDは渋谷にある高級タワマンの居住フロアの一室から発送されていた。一方俺は「ムー大陸好きでθ」を約2℃の寒い部屋で聴いている。

 

 

くそっ! 貧乏だー!


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こげんとこに生まれて、大好きたい北海道…

(進行方向別通行区分「一悶着先輩」より)