げねのチラ裏

げねのブログです。だいたい音楽について語っていますが、たまに他の事にも触れます。気が向いた時に更新していこうと思います。

げねの日記 2022年 11-12月編+α

11/14

 電音部のライブ映像の配信がやっていたので見てみた。Yunomiさんが手がけた「Distortion」にびっくりした。二次元コンテンツでこんな音出していいんだ。Yunomiさんの曲は「インドア系ならトラックメイカー」くらいしか知らなかったので、イメージと違ってこんなバッキバキの音も出してた人だったんだと思った。


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 そしてラストのダンスパートで使われていたShin Wadaさんの「godz」がとても好き。でもライブBDの特典CDにしか入ってないらしい。ショートバージョンは動画で聴けるけど、フルもサブスクとかで上げてくれないだろうか。


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11/19

 Ginger Rootのライブ配信を見た。Ginger Rootのライブは原曲よりもアグレッシブな演奏でテンションが上がる。サポートのディランとマットも上手い。Juban Districtのセッション部分でのアニソンメドレーも熱かったし、Lorettaでマネージャー(をMVで演じている人)が出てきてサックスを吹いていたのもびっくりした。


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 そしてトリプルファイヤーのスタジオライブも上がってた。吉田さんと演奏陣の間に微妙に距離がある構図がなんだか笑えてくる。そして「サクセス」の歌詞の変わりようが凄い。トリプルファイヤーはフルのライブ映像がいくつか上がっているけど、「FIRE」以降の新曲がどれもかっこいい曲ばかりなのでニューアルバムが出るのが待ち遠しい。


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 あとサカナクションも魚図鑑のツアーの映像を配信していた。コロナ禍を経てライブを配信するアーティストが増えたのが嬉しい。

 

11/27

 元ゆるめるモ!のあのさんの新曲「ちゅ、多様性。」が話題になっていたので聴いた。元・相対性理論、現・集団行動の真部脩一さんが作曲を手がけているのだけれど、話題になっている通り相対性理論の「LOVEずっきゅん」に似ていた。特にリズム隊はほとんどまんま。しかも1:31からのベースのフレーズが「LOVEずっきゅん」のイントロで永井さんが弾いてたフレーズで、これは絶対に確信犯。自曲のセルフパロディをタイアップ曲に持ってくる大胆さよ。歌詞もタイアップ先であるチェンソーマンのネタに寄せまくってて、バズらせようとする強い意志を感じる。


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11/28

 シェルビー・スティールの「黒い憂鬱」を読了した。黒人の大学教授がアメリカの人種差別について考察し執筆した本だ。筆者が重視しているのは、個人的な努力によって経済的・社会的な成功を収めること。これによって黒人はただ支援されるだけの存在から抜け出せる。そして、現代のアメリカではチャンスは誰にでも自由に開かれているという。主張の是非は置いておいて、とてもアメリカ的な考え方だなと思う。著者は下層階級から中流階級へと成り上がった人物だ。そのためか読み進めていくと、かつて出会った他者からの罪悪感を当てにする怠惰な黒人のエピソードを取り上げていることが多く、筆者は「怠惰な」下層階級を忌み嫌っているようにも見える。

 自分はこれをとても示唆に富んでいる本だと思うが、書かれていることが全て正しいとは思わない。この本の考え方は、人種関係なく一部の弱者を切り捨てる可能性を持っている。そもそも本書で書かれている「努力」というのは曖昧なもので、現代日本の視点から見るとヤングケアラーや毒親の問題といった努力できる環境についてや、学習資本主義の社会についても考えることが必要である。こうしたことを突き詰めると、行き過ぎた自己責任論になってしまうかもしれない。自分なりの問題意識を持ちながら筆者の主張の一つ一つに対してしっかりと対峙しなければ、一面的な考え方に引きずり込まれてしまう、まるで劇物のような本だと感じた。

 

11/29

 「陰キャ女子」について考えている。ぼっち・ざ・ろっくの流行によって「陰キャ女子」というジャンルは注目を浴び始めている。それに伴って「あんな陰キャはいない」などといったさまざまな議論が出てきている。まず前提として考えるべきなのは、ぼっち・ざ・ろっくの連載誌がまんがタイムきららだということだ。あんなかわいい陰キャはいないと言われても、そりゃそうだろう。陰キャとしてのキャラ付けがある前に、きららの世界のキャラクターなんだから。

 また、「陰キャ女子は高確率で男と付き合っている」といった発言も見られた。この手の話題になると、「自分たち弱者男性は恋愛ができないが、女性は男に困らない」という議題が良く上がる気がする。男女交際=セックスであり、セックスがゴールになると思っているならそれでいいのかもしれないが、ただヤリ捨てられる女側にとってはたまったものではないだろう。

 あとこれは自分の持論だが、本当の陰キャはそもそも誰の視界にも入っていない。人の記憶に残る陰キャはそこそこイケメンや美女だったりするものだと思う。SNS陰キャのあれこれについて言及する人は多分顔が良い異性にしか興味はないし、本当に目立たない人間は誰の記憶にも残っていない。人間はそもそも視覚を活用しようとする時点で、目に映る情報の取捨選択をしている。結局何が言いたいかというと、「オタク」や「陰キャ」という言葉がどんどん一般の人にまであてはめられるようになっていき、従来そのコミュニティの中にいた人々がそれ以下の立場に追いやられているのではないかということだ。

 

11/30

 「ちんこまんこ短歌」というボカロ曲のことを思い出している。Delta 5というバンドの「Mind Your Own Business」という曲をサンプリングした (というより勝手に使った) 曲で、下ネタ短歌→Delta 5の演奏→下ネタ短歌→Delta 5の演奏というような構成。最後に「演奏 delta 5」というテロップと共にDelta 5のアー写が出る (勝手に使っているにもかかわらず) のがじわじわ来る。今は削除されて見れなくなっているが、意味の分からないタイミングでふとこの曲のことを思い出すことがある。

 

12/3

 サカナクションの「SAKANAQUARIUM 光 ONLINE」の生配信を見た。山口さんのMCからコロナ禍真っ只中の2020年の空気を思い出す。あの時は何もかも手探りで、漠然とした不安感が広がっていた。その中で様々なミュージシャンやアーティストが試行錯誤を繰り返していた。振り返ると、たぶん皆がどこかから希望を見出そうとしていたんだと思う。

 

12/7

 tricotの「不出来」の発売に先駆けて、収録曲のインストVerと歌詞が公開された。1曲目から意表を突くノイズ楽曲「模造紙ヒデキちゃん」から始まるのが衝撃的。前作「上出来」のエフェクティブなギターサウンドやマスロックの枠に収まらないアレンジを引き継ぎつつも、ソリッドさが出た作品な気がする。気になったのが「不出来」の歌詞で、読んだときに赤い公園の津野さんのことが頭によぎった。歌が乗った時にどうなるのか。


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 あと、中嶋イッキュウさんがぼっち・ざ・ろっくに楽曲提供した「カラカラ」も聴いてる。改めて意識すると、イッキュウさんの作るメロディーと歌詞は特徴的だなと感じた。まるでイッキュウさんの声が聞こえるようだ。曲のアレンジはtricotとは関係のない別の人なのだけれど、ギターのアレンジにキダさんっぽいフレーズとキダさんっぽくないフレーズが混在しているのが面白い。


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12/9

 今朝、スッキリにナンバーガールが出ていた。向井さんはカメラに向かって「ズームイン!」と言い、加藤浩次さんにツッコまれていた。向井さんと加藤さんの2人のやりとりがかなりうまく噛み合っていたように見えた。

 あと、所用で町の中心部に行った。クリスマス近くだからか、町中はイルミネーションで彩られていた。思えばこういう大規模なイルミネーションを見たのは初めてだなと思った。インドア派の極みの自分には、こうしたイベントに遭遇する機会がない。そしてカップルが多い。おそらく今までで一番カップルを多く見た日になったと思う。イチャイチャするカップルを見ながらイヤホンで聴くトリプルファイヤーには不思議な趣があった。そういえば吉田さんには彼女がいるんだっけ、と思い出しさらにわびしさは加速した。

 

12/11

 NUMBER GIRLの解散ライブ「無常の日」をスペースシャワーTVで見た。ナンバーガールが令和に活動してくれただけで奇跡だと思っているので、解散の寂しさはあまりなかった。そしてまさか透明少女を4回もやるとは思わなかった。

 ライブを見ていると、数十年前に作られたナンバーガールの楽曲が現代の風景にオーバーラップする瞬間が何度かあった。それは向井さんがいつの時代も変わらない、あらゆる町の風景や人間の根底にあるものを表現してきたからだろうと思う。

 自分にとってナンバーガールは物心つく前にいなくなった蜃気楼のような存在で、自分の生きる時間軸と交わることはないと思っていたバンドだった。自分はめったにライブに行くことはないし、画面越しのナンバーガールのライブしか見ていない。しかしリアルタイムでナンバーガールの復活を体験できたこと自体、とても幸せなことだと思う。

 ナンバーガールの出現によって邦ロックの歴史は完全に変わってしまった。ナンバーガールがいなければアジカンヒトリエもいなかったかもしれないし、そして今自分が聴いているバンドの2〜3割は存在しなかったかもしれない。自分にとってナンバーガールは伝説というには異常で異形すぎる。伝説というより邦ロックの特異点と表現したい。


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12/14


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 YouTubeの広告で流れてきた曲。今までで初めて広告を最後まで見たかもしれない。カントリーとハードロックって意外と合うな。サビもキャッチーでいい。

 

12/17

 サカナクションの「SAKANAQUARIUM アダプト TOUR at NIPPON BUDOKAN」のプレミア公開を見てる。アダプトのライブは作りこまれた演出にも注目だけど、「雑踏」「スローモーション」「ティーンエイジ」のような、ライブであまりやらないレア曲をやってたところも驚いた。特に「ティーンエイジ」の後半のテクノパートは絶対ライブで映えると思っていたので、アダプトをきっかけに引っ張り出してくれて嬉しい。サカナクションのテクノ曲 (ネイティブダンサーとか) はライブアレンジになると数段階ボルテージが上がるので、今回聴けてよかった。またアダプトのライブをやるにあたって、サカナクションはライブと並行して役者に演技をさせた。「ティーンエイジ」では女優の川床さんが感情を爆発させる演技があるのだけど、マイクに小さく入り込んだ叫びさえも曲を構成するアンビエントノイズのようで、偶然だと思うけどそういった演出込みで完成されてるなと感じた。

 あと「雑踏」も聴きたかったけど、オンラインライブの方でしかやってなかったらしい。円盤欲しいけどやっぱり高い。

 

12/18

 と思ってたらピンポイントで「雑踏」のライブ映像が期間限定公開された。ありがたい。シンシロの「雑踏」「黄色い車」「enough」の流れは本当に沁みるので、もっとライブでやって欲しい。というか演奏のクオリティが高すぎる。CD音源と遜色ないレベル。


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 あと、テレビを流していたらおもしろ映像として「しょし」ことフィンランド版YMCAの映像が流れていた。

 

12/22

 B'zのBAD COMMUNICATION (シングル) を聴いてる。B'zはジャンルとしてはハードロックなんだけど、初期はめちゃくちゃディスコ調の曲をリリースしていた。特にこのシングルは3曲とも7分もあるし、完全にクラブ向けの作品であるという印象を受ける。

 しかし松本さんの曲には今のハードロック路線にも昔のディスコ路線にも、独特なメロディーの良さがある。日本の音楽にある歌謡的な部分ってJ-POPの大きな特徴だと思っていて、そんなJ-POPとディスコがかなりマッチして融合しているのは不思議だなと思った。時代を感じさせるサウンドだけどメロディーやフレーズの良さで聴かせるという部分では、個人的にはNew Orderを連想した。New Orderから続けて同じくらいのテンションで聴ける。

 

12/24

 クリスマスイブが来た。今年もTwitter上では非リアたちが怨嗟の念を呟いている。自分たちのような非リアは事あるごとにセックスについて騒ぐ。しかしよく考えてみると、セックスというものはそんなに特別なことだろうか。この世界に生きる大半の人にとってセックスは当たり前なんだろうなと思う。でなけりゃ世界にこんなに人が生まれて人類が存続しているわけがない。自分たちが無駄に騒いでいるだけで、セックスは生活と隣り合わせのものなのかもしれない。

 そうすると、自分は人類の中での特異点なのかもしれないという結論に達した。セックスは人間の生殖に関わり、人の人生を左右するものだ。だとすれば、自分のような人間がそういうことに関わるべきではない。正直なところ、陰キャを自称している人々でさえも1回くらいはセックスを経験しているのではないかという気さえしている。そもそもセックスというのはコミュニケーションの延長線上にある。自分はもはや陰キャを超えた社会不適合者なので、そもそも他人と関わる域にさえ達していない。

 そう考えると、なんだか自分が孤高の存在のように思えてくる。そして「上で待ってるぞ」的な気持ちでクリスマスに一喜一憂する人々を見ているのである。まあ実際に自分がいるのは下なんだけど。自分の道を行くには、世間が定義する幸せとは距離を置く必要がある。クリスマスを少し楽しくするために、これからは自分が人類の特異点であることに誇りを持っていこうと思う。

 

12/27

 セカンドストリートに行った。SquierのBronco BassやFenderのStarfire Bassなど、近場ではなかなか見かけないレアものがあった。見ているだけで楽しい。あと、ぴんはげさんも使っているMayonesの5弦ベースもあった。中古でもやっぱりクソ高かった。ジャズマスターを買ったのでギター欲はかなり落ち着いて、代わりにベースにばっかり視線が行ってしまう。

 あと、ふとKANA-BOONの「日は落ち、また繰り返す」を改めて聴いていたらなんか刺さって、KANA-BOONの曲を聴き返している。改めて聴くと良いなーと思う。古賀さんのギターフレーズも良い。


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2023/1/1

 また今回も年が明けてしまった。朝起きてなんとなく見たテレビでは、ロバート秋山さんが寺の中で奇声を発していた。新年一発目の映像にしてはシュールすぎると思ったが、なんとなく幸先がいい気がする。