げねのチラ裏

げねのブログです。だいたい音楽について語っていますが、たまに他の事にも触れます。気が向いた時に更新していこうと思います。

YAMAHA SBV-550を買った

 ついにやってしまった。YAMAHAのSBV-550を買ってしまった。ずっと憧れていたSBVが今自分の手元にある。

 

 

 YAMAHAのSBVシリーズとは、YAMAHAがかつて生産していたベースのモデルである。種類としてピックアップがジャズベース仕様のSBV-500、ピックアップがPJ仕様のSBV-550、その他に元SUPERCAR・現LAMAのフルカワミキさんや岡野ハジメさんのシグネチャーモデルがある。シグネチャーモデルは中古市場では特に高値で取引されている。

 SBVが欲しかった理由は、POLYSICSのフミさんが使っていたから。自分がSBVに興味を持った時にはもうプレミアがついていて、しかも自分が欲しかった550 (PJ配列仕様) は10万円以上 (つまり定価の2倍以上) で取引されている事なんてざらにあった。そのためかつての自分には手が出せず、SBVが買えるくらいのお金を持つようになる頃には市場に在庫はないだろうと諦めていた。しかし少し前にSBV-550を6万円で売っていた店を見つけたことがきっかけで、自分の中のSBV熱が再び再燃してしまった。自分はそこから、SBVを買うことについての考えが頭から離れないままの生活を送っていた。

 そして1月の終わりに、さっきのとは別の店でSBVが6万円で売っているのを見つける。そこまでならよかった。よく見るとその店では年始のセールをやっており、SBVが元の価格から1万円値引きされて5万円で売られていた。ここまで安くなると定価にもかなり近づく。2000年初期と現在の物価の違いも考慮すると、普通の中古品としてかなり妥当な額に近づいているのではないかと考えた。その結果、三日三晩悩んだ末に5万でSBVを買ってしまった。SBVが届くまでの間はずっとそわそわしながら過ごしていた。

 

 そして2月頭にSBVが届く。届いたSBVを見てみるとかなり状態が良かった。フレットも十分残っていて、個人的には中古品の中でも新品に近いコンディションに思えた。ネックはかなりストレートじゃないかと感じる。この状態だったら10万円のプレミア価格で売っていたとしてもおかしくないと思う。本当に良い買い物をした。

 早速弾いてみた。第一印象としては、まず出力がデカい。アンプにつないで音を出してみると、いつものベースより明らかに音が大きい。オーディオインターフェイスに繋いでも音割れしまくるので、インプットを限界まで下げなければならなかった。パワフルな音で有名なSBVの名は伊達じゃなかった。

 そして、いつもCDで聴いていた「あの音」が出る。ミックスだとかなりゴリゴリで個性的なサウンドPOLYSICSのフミさんの音は自分にとってベースの音の指標の一つとなっているので、それが出せるようになったのは嬉しい。加えてフロントピックアップのみだとオーソドックスなプレベの音が出るので、ミックスの音だと個性的すぎるという場面でも安心。そして、一番想像と違ったのはリアピックアップの音だった。一般的なジャズべのリアピックアップは、個人的には音が固くなると同時に細くなる印象があった。だけどSBVのリアは音が太いまま固さが出てくる印象がある。単体でも全然使える音。トーンの効きも良く、トーンを少し絞って弾くとおいしい中音域を残したまま落ち着いた音にもできる。思った以上に幅広い音が出せる1本だった。

 そしてとにかく音抜けが良い。自分はPC上で曲を流しながらDAWにギターやベースを繋いで練習をするというのをよくする。このときベースを弾いていると、流している曲にベースが埋もれて聴こえなくなることがある。だけどこのSBVは音量を下げてもベースの音程が埋もれない。これから曲を作っていくときに、ミックスの場面において大きなアドバンテージになると思う。SBVのサウンドを一言で表すと「存在感のある音」だろうと思った。

 

 あと、実際触ってみてわかったこともあった。SBVを弾いてみて、自分が思っていた以上に繊細なコントロールが必要であることに気が付いた。SBVのピックアップはボールピースが飛び出してむき出しになっているので、そこに弦が当たりバチッというノイズが出やすい構造になっている。それに加えて弦高がかなり低く、サドルが限界まで上がっていたにもかかわらずピックアップと弦の距離がかなり近い (この問題を解決しようとした前所有者の試行錯誤の痕跡が伺える) 。そもそも、ベースの設計の段階で弦高は低めに想定されてたんじゃないかと思う。自分としては、ピックアップの高さをもうちょっと下げられれば弦への干渉をもう少し減らせるのではないかと思っている。でもピックアップも限界まで下がってる気がするんだよな〜 あとは自分の手元をうまくコントロールする練習が必要だな。

 

 というわけで、今自分の手元にはジャズマスターとSBVという最強の布陣が揃っている。この2本があれば相当自分の好きな音が出るに違いない。ネットでギターを見ていても、「でもジャズマスターとSBVがあるしな」と思い以前ほどの機材に対する物欲はなくなった。今年はこの2本をとにかく弾きまくりたい。絶賛スランプ中ではあるけど曲も作れたらいいなー。いろいろと頑張りたい。

 

 ちなみに、SBVに純正のソフトケースがついてきたんだけど、SBVの独特な形状のボディを収めるためかなり変な形をしていた。そして自分が持っていたベースのケースにSBVは入らなかった。失くさないようにしなければ。

 

今日の一曲


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 自分はPOLYSICSからも大きな影響を受けていて、自分にとってアジカンヒトリエサカナクションといったバンドと同じくらい重要な、自分の音楽観の核の部分を形成したバンドの1つだ。月日が経って、楽器周りの環境がどんどん自分の憧れに近づいている。環境が整ってくれば、後は自分が何をするかが重要になってくる。次は、これから自分がどんなものを作るかが問われるフェーズになるだろうと感じている。